あらすじ

風走りが戦場を駆け抜け、 盾を捨てた新兵が前線の形を変えたあと―― 戦場には、奇妙な静けさが残った。 敵も味方も、 「どこから死が来たのか」を語れない戦が増えていく。 矢は飛ぶ。 だが、風走りのように近づく者はいない。 彼女は走らない。 戦場の外縁を移動し、 距離を保ったまま、矢を放つ。 撃つのは敵だけではない。 進軍の角度、退路、判断の遅れ―― 彼女の矢は、選択そのものを射抜く。 名を持たず、称えられず、 戦場の記録にもほとんど残らない存在。 人々はそれを、 風走りの亜種と呼んだ。 ある者は、臆病な風走りだと嗤った。 だが彼女は知っている。 近づかないからこそ、 救える命があることを。 これは、 走らぬ風が戦場に残した、 もう一つの答えの物語。

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小説を読もう2025/12/16
  • 現在の作品『遠風(とおかぜ)──触れぬ者の戦場』