あらすじ

仕事帰り、深夜バスの中で眠りに落ちた淳(あつし)は、目を覚ますと現実とは異なる灰色の世界を走り続けるバスの中にいた。運転手のいない車内、顔のない乗客たち、そして繰り返し現れる自分の過去の風景——そこは、生と死の境界に存在する「途中の世界」だった。  淳は、霊界へ向かう流れの中に紛れ込み、無意識のうちに“死者の旅”に参加してしまっていたのだ。やがて現れたのは、黒い眼窩を持つもう一人の自分。その存在に突き落とされるようにして、淳は現実世界へと引き戻される。  病院で目覚めた淳は一命を取り留めるが、霊界行きのバスは今もどこかで走り続けている。自分はただ「今回は降りられただけ」に過ぎない——そう悟った瞬間、現実は再び不穏な影を帯び始めるのだった。

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カクヨム
カクヨム2025/12/16
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