あらすじ
創造性死滅区域C-13に暮らす元国家認定アールブリュット作家・琥珀夢星絵空は、文化に触れたことで芸術純度ランクAからBに落ち、「汚染」を理由に定期審査と成年後見人による生活・収益の管理を受けている。芸術純度管理庁は、障害や教育歴をもつ作家を「純粋な他者」として隔離し、文化接触を禁じる一方で、彼らの作品を巡る巡礼ツアーやグッズ販売で利益を上げていた。山間の隔離施設「ピュアハウス」では、純度S級の少年・星空煌琉夢が外界の文化を知らされないまま、ガラス越しに消費されている。
やがて煌琉夢は施設を抜け出し、絵空の展示を通じて「汚染区域」にも生き生きとした創造があると知る。この実態に疑問を抱いた庁職員・彩空虹愛夢が内部告発し、国際人権機関は制度を構造的差別として批判するが、庁は「純粋性保護と包摂」を掲げて制度継続を宣言する。純度Cに落ちて認証と後見から外れた絵空と、純度低下で施設を追われた煌琉夢は、レッテルも純度スコアもない創造性死滅区域の片隅で、アニメや美術書に囲まれながら自分たちのペースで作品を作り始める。世界がなお「純粋性」を消費し続けるなか、誰にも測られない創作だけが、彼らにとってのささやかな自由となっていく物語。