あらすじ
ベストセラー作家・三橋真一の妻、三橋香(かおり)。
彼女自身も小説投稿サイトで評価される書き手だったが、夫の成功とともに、作品はいつしか「三橋真一の妻の新作」として消費されるようになっていく。
祝福、羨望、善意——
そのすべてが、香の誇りと創作の輪郭を少しずつ削っていった。
夫を愛している。
尊敬している。
それでも、隣で輝く「キラキラ」は胸を刺す。
嫉妬、自己否定、そして「マスコット」にされる痛み。
追い詰められた香は、一度、書く場所を失う。
だが、夫もまた、期待と評価の重圧の中で書けなくなっていた。
ふたりは初めて、成功の外側で向き合う。