あらすじ
人を評価し、分類する端末が破壊された。
かつてそこには、他者の中で生成された「自分の像」が、数値として表示されていた。
端末が沈黙したあと、主人公の仕事は、使われなくなった端末を回収し、後処理を行うことに変わる。
新人職員は「これで安心ですね」と言うが、世界の風景は何ひとつ変わらない。
評価は、ただ目に見えなくなっただけだった。
そんな中、主人公は提出されなかった一通の記録を見つける。
それは、端末を破壊した人物が残した文書だった。
正義でも救済でもない理由で、システムを壊した彼の言葉を読み、主人公はそれを肯定も否定もしない。
表示されない数値の基準が、この世界から消えたわけではないことを理解しながら、
主人公は今日も、静かに仕事を続けている。