あらすじ
ある国の深層。
そこでは強大な勢力の名の下に、値札を貼られ、商品として売られていく人々が存在した。
国家絡みの圧政に抗うことを選んだ青年たちは、そこから一人の少女を救い出した。
外の世界を知らずに育った少女にとって、彼らとの出会いはあまりに眩しく、そして温かかった。
ゆえに、少女の願いはただ一つへと収束する。
『横に並び立ちたいとか、光の下で一緒に生活したいとか、そんなワガママは言わないから』
『……日陰者でも、構わないから』
それは、祈りにも似た想い。
そして少女は、ひとりの青年の背を(※物理的に)追い始めた。
少女自身も“多少は”自覚していたし、周囲はさらに理解していた。
何をどう取り繕おうと、それは紛れもなく——“ストーカー”であると。
やがて(※そこそこ悪質な)ストーカーと化した少女は、現実を知る。
人身売買組織と戦い続ける青年たちは、深い傷と喪失を抱えて復讐の闇へと堕ちながらも、それでもなお誰かを救おうともがき続けている。そんな、矛盾だらけの生者たちなのだと。
『この人たちの、力になりたい』
未熟な決意と拭えぬ依存を抱えたまま、少女は彼らと共に、戦う道を選ぶ。
残酷を当然とする世界で、これ以上、誰も涙を流さずに済むように。
そして、長い間否定し続けた自分の存在意義を、ようやく掴み取るために。