あらすじ
勇者召喚が国家事業として運用されている異世界。
だがその「勇者枠」は、すでに満席だった。
現代日本でクレーム対応を専門とする会社員・三好透は、
召喚事故により異世界へ誤配属されてしまう。
勇者でもなければ、魔法も使えない。
待っていたのは「処分」――のはずだった。
彼が評価されたのは、
怒りを整理し、納得を引き出し、問題を“処理する”能力だった。
配属されたのは、異世界の苦情処理室。
そこでは勇者の不満や絶望が数値化され、
国家を支える「通貨」として流通していた。
正しく対応すれば、国は潤う。
だが、処理された勇者は静かに消えていく。
これは、
勇者になれなかった男が、
言葉を金に換える世界で、
「正しい仕事」が何を壊すのかを知っていく物語。
英雄譚ではない。
救済譚でもない。
――世界は、売れる。