あらすじ

日本を支える名家、葉月(はづき)家に生まれた双子の姉・結衣(ゆい)は、地味で家族から影のように扱われ、孤独に生きてきた。妹の彩乃(あやの)こそが「月」の力を継ぐと信じられ、すべての寵愛が注がれていたが、その彩乃が恐れをなして婚約話を拒否した。嫁ぎ先は、鎮守府を統べる「日輪の加護」を持つ神楽(かぐら) 暁久(あきひさ)。「冷鉄の将」と畏怖される彼は、過去の凄惨な裏切りにより心を閉ざした絶対的な軍人だった。 家のため、そして妹の代わりに罰を受ける覚悟で、結衣は彩乃の身代わりとして神楽家に嫁ぐことを決意する。神楽邸は、暁久の「日輪の加護」の力により、常に灼熱の熱と厳粛な冷気に包まれていた。暁久は、財や力を狙う偽りの婚約者だと決めつけ、結衣を冷酷に扱う。 だが、結衣の持つ「影の御業(みわざ)」――陰の属性の力は、誰も予想しなかった効力を発揮する。暁久の力である「神炎(しんえん)」は、感情の昂ぶりや激昂により暴走する危険性を孕んでいた。かつて、最も信頼した部下に裏切られ、その神炎の暴走で愛する者すら焼き尽くした過去の傷を持つ暁久にとって、制御できない力は恐怖の根源である。 そして、国を脅かす「影喰らい」と呼ばれる異形が現れる中、鎮守府で暁久の神炎が制御を失い暴走する危機が訪れる。その時、誰も触れることのできない灼熱を、結衣だけが「月影の結界」で包み込み、鎮静させた。 結衣こそが、暁久の暴走を鎮めることができる唯一無二の「月の契り」の存在だと知った暁久。彼の冷酷な鎧は剥がれ落ち、結衣への態度は激しいほどの溺愛へと変わっていく。しかし、裏切り者の残党である「月影の残光」が、暁久の力を奪うため、そして結衣の「影の御業」を悪用するため、国の安定を懸けた過酷な戦いを仕掛けてくる。 冷徹な軍人と、孤独な身代わり娘。日と月の運命的な契りが、今、宵闇の中で始まる。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2025/12/15
  • 現在の作品宵闇に咲く花嫁─日輪の冷徹軍人と月の身代わり娘─