あらすじ
暗闇のシェルターで目覚めた高校生、紅羽。
彼女が目にしたのは、信号が消え、人も車もない瓦礫と化した東京の姿だった。すべての生命が消え去った街で、途方もない孤独と絶望に苛まれる紅羽は、一人の異質な少女と出会う。
カペルと名乗る、白いワンピースの少女。
世界の崩壊を前に、誰にも問えない「なぜ」の答えを知っているかのように、彼女はただ、バスケットから焼き立てのパンを取り出し、紅羽に差し出す。
飢餓と恐怖が混在する中、紅羽はカペルが差し出すシュトーレン、あんぱん、プレッツェルを貪り食らう。そのパンの甘さが、世界の終末と、不気味なコントラストを描く。
カペルが紅羽を誘うのは、崩壊した文明の象徴、東京スカイツリーの頂上。
これは、生き残った者たちの「救済の旅」なのか。 それとも、人類を滅ぼした超越的な存在による、屈辱的な「餌付け」の旅なのか。
その旅の終着点で、カペルは紅羽に何を語り、そして何を「見せる」つもりなのか。