あらすじ
その少年は小さな村で生まれた。
その村は貧しい。土地もやせていて食料があまりとれない。魔物が定期的に村を襲ってきて被害が出る状況。少年が生まれたころ、村の人口は150人ほどいた。
餓死するもの。はやり病で死ぬもの。魔物に襲われて死ぬもの。村を捨てて逃げてほかの土地へ行くもの。盗賊に襲われるもの。人口は減る一方。
少年の母親ははやり病で死んだ。
父は魔物との戦いで片腕を失い、その傷が癒えぬまま冬を越せず、翌年の春に息を引き取った。
少年タイシは、天涯孤独となった。
村の人口は、タイシが十歳になる頃には三十人ほどになっていた。かつて百五十人いた村人の五分の一だ。
畑を耕す人手が足りない。魔物と戦える若者が足りない。子供たちの面倒を見る大人が足りない。
悪循環だった。
「王国に訴えても無駄だ」