あらすじ
櫻井瑠衣は、ふつうの会社員。
毎日まじめに働き、生活をきちんと回し、少し?運動が得意なだけの(少なくとも本人はそう思っている)女の子だ。
雨の夜、仕事帰りの横断歩道。
前を歩く人の動きが一瞬だけ遅れたことで、瑠衣は選択を迫られる。
避けるか、押すか、それとも――自分が受けるか。
彼女が選んだのは、いつも通りの「ふつうの選択」だった。
次に気づいた時、瑠衣は知らない森に立っていた。
体も意識も、何ひとつ変わっていない。
変わったのは、世界だけだった。
魔法やステータスがあるらしいこの世界で、
瑠衣は特別な知識も能力も持たないまま、生き延びることになる。
頼れるのは、今までの人生で身につけてきた体の感覚と、判断力だけ。
戦い、逃げ、学びながら、
少しずつこの世界の仕組みを知っていく瑠衣。
その中で、自分でも気づいていなかった力の片鱗が、
静かに形を取り始める。
けれど、どんな状況に置かれても、
瑠衣の選び方は変わらない。
「あと味がわるいことは、しない」
これは、
異世界に移されてもなお、
“ふつう”を通そうとする一人の女の子の物語。