あらすじ
体育準備室の棚が崩れ、綴木結は
――あっけなく死んだ。
次に目を開けた場所は、生と死の狭間にある
レコードショップ『狭間』
万年筆の頭を持つ店主・バンさんと、
どこか空虚な店員・蓮叶が待つその店には、
一人につき一枚、“人生のレコード”が並んでいる。
自身に合うレコードを見つけられれば、
もう一度、生か死かを選べるのだとか。
生を選ぶなら、とっておきの思い出と引き換えに死ぬ三十秒前へ。
死を選ぶなら、便箋一枚分の遺言を預かり、店が現世へと届ける――。
けれど結のレコードには、なぜかノイズが走っていた。
母の声の中で消える誰かの名前。
記憶の奥で呼ばれる「お兄ちゃん」。
“なかったはずの記憶”が、結の胸を刺す。
その『ノイズ』の正体を知るために、
結は再び『狭間』の扉を開く。
レコードショップ×遺言代筆。
想いが言葉にならなかった人たちの“最後の一行”を、もう一度届ける。あなたの代わりに聴き綴る。
――これは、消えた記憶と未練を繋ぎ直す、静かな再生の物語。