あらすじ

人と人との約束が、簡単に交わされ、簡単に忘れられていく街。 少女ユイは、背中に翼を持って生まれた。 だがその翼は、空を飛ぶためのものではない。 誰かが交わし、守られなかった約束が、羽となって彼女の背に生えていく―― それは、他人の約束を引き受けてしまう体質の証だった。 ユイは街の中で、約束が破られるたびに羽を増やし、 その重みで少しずつ前に進めなくなっていく。 それでも彼女は、約束を忘れることを選ばない。 「誰かが覚えていなければ、約束は最初から無かったことになる」 そう信じていたからだ。 ある日、ユイは自分の翼が「見える」少年と出会う。 彼は、約束を終わらせる方法を探していた。 守られなかった約束を、きちんと終わらせることで、 人を縛る痛みから解放する――それが彼の役目だった。 約束を背負い続ける少女と、約束を終わらせる少年。 正反対の二人は、街に残された約束を辿りながら、 「覚えていること」と「手放すこと」の意味を知っていく。 やがてユイは、自分の翼に刻まれた 最初の約束と向き合うことになる。 それは、誰かに与えられたものではなく、 彼女自身が、かつて自分に交わした約束だった。 約束を覚え続けることは、優しさなのか。 それとも、前に進めない理由なのか。 翼の重さの先で、ユイが選ぶ答えとは――。

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小説を読もう2025/12/15
  • 現在の作品約束の羽