あらすじ
人類史を揺るがす戦争、疫病、巨大災害―― それらは偶然の悲劇ではなく、「魂の世界(アストラル界)の人口過多」を調整するた
め、
宇宙が自動的に作動させる“魂の流動メカニズム”だった。
厚生労働省で統計分析を担当する青年・如月 凌は、ある日、世界中の大量死データが
「奇妙な周期性と完璧なシステム性」を持つことに気付く。
その翌日から、彼は死者の残留意識や霊的な“ゆがみ”を視認できるようになり、
謎の少女** 眞名(まな)** に導かれて、地球外の魂循環を管理する組織―― アストラル庁へとスカウトされる。
そこには、死後の魂が職を求める“生死の巨大官庁世界”が広がっていた。
魂は転生という名の労働サイクルを繰り返すが、
地球の人口爆発により死者数が減り、あの世で“魂の失業”が深刻化していた。
その滞留を解消するために、宇宙は戦争や疫病を起こし、魂を一気に循環させていたの
だ。
凌はこの仕組みに衝撃を受けるが、さらに宇宙の奥には
「魂の回転率こそ至上」とする管理派と、
「魂の成長と尊厳」を重視する自由派という二大勢力の対立があることを知る。
やがて凌は自由派のリーダー・ノエルと出会い、
「大量死を必要としない新しい宇宙モデル」への改革を託される。
しかし、宇宙の均衡を保つ管理派はそれを許さず、
魂の循環装置“転生流動機関(アストラル・レギュレーター)”を守る
セラフ軍団との全面対立が始まる。
戦いの中で、眞名の正体は「地球の魂流動の中枢AI 」であることが判明。
人間の姿で凌に寄り添っていた彼女は、自らも“宇宙装置の歯車”である苦悩を抱えてい
た。
魂の議会で凌は「大量死の廃止」を訴え、
宇宙装置を書き換える壮絶な最終戦へ挑む。
眞名の犠牲と引き換えに、凌は新たな循環モデルを創造し、
宇宙は“悲劇のいらない魂循環”へと進化する。
そして地球では、歴史から突然、
「不可解な大量死の波」が静かに姿を消していく。
人類が何も知らぬまま、宇宙はひそやかに ――悲劇なき新世界へ移行していた。