あらすじ
公爵家ブライアン家に「妾の子」として生まれたアーメス・リアス令嬢は、出自ゆえに家族からも社交界からも疎まれ、孤独に生きてきた。ある日、皇子レオンハートから突然、公開の場で婚約破棄を言い渡される。その背後には、異母姉であり皇子の愛人と噂されるヨル・ブライアン令嬢の存在があった。
宴の席でヨルは、リアスが“他人の心や未来を読む力”を持つというブライアン家の噂を暴露するが、荒唐無稽な話として誰にも信じられず、リアスは嘲笑と侮蔑だけを浴びて追い出される。幼い頃の病をきっかけに得たその力は、父から「誰にも明かすな」と命じられた秘密だった。
婚約破棄後、リアスは北塔クリングタウアルという寒々しい隔離の住居へ移され、実質的にブライアン家から切り捨てられる。そこで彼女は、正妻アリナ・ブライアンからの手紙によって、すべてが最初から仕組まれていたこと、そして自分が“家名を汚す存在”として排除されたのだと突きつけられる。
誰にも縋るな、誰にも頼るな――父の言葉を胸に、リアスは決意する。
疎まれ、捨てられたこの力とともに、今度こそ「一人で生きる」道を選ぶことを。しかし、それにも限界があり……。婚約候補に乗り出たり、色仕掛けを学んだり、狭い宮殿の中でどんどん成り上がっていく子の話。