あらすじ
「なんなら折り畳みも貸す?」
目の前で繰り広げられる光景をそっと眺める。
『今日も曇?!雨って言ってたくせにまじでないわー!!!帰りも降ってなかったらまじで恨んでやる…』とか奴はいつも通りぶつくさ文句を言いながら登校していった記憶があった。
だからさぞかしこの土砂降りには意気揚揚としてるだろうと思ったが、この有様だ。
いや、意気揚揚としていたが予想外の出来事が起こったんだろう。あんなに楽しみにしてた白地の新しい傘を知らない2人組が差して帰るのを見送った後、肩を落としてしゃがみ込んだのだから。
…………仕方ないな、
ため息をつき俺は傘を開いた。
幼馴染の縁なのか、はたまた違う何かがあるのか、今はまだ分からないが、ずぶ濡れで帰るよりはマシだろ、と言い訳をつきながら。