あらすじ

市立図書館の地下には、「誰にも読まれなかった言葉」だけを静かに消化し続ける胃袋がある、という噂がある。 過去の受賞作に似ている、と何度もなじられ、「二番煎じしか書けない自分の文章なんて、全部消えてしまえ」と願った投稿作家の「俺」は、未発表原稿の束を抱え、その胃袋に原稿を食わせに行く。 古書や同人誌、書架のあいだから文字の粒となって分解されていく地下室で、胃袋は俺の原稿を呑み込み、そのかわりに、過去に読んだあらゆる名作の「残り香」だけを返してくる。 無数の断片が渦を巻き、最後に胸の内側に残ったのは、たった一行の、誰の続きでもない言葉だった。 文学を貪り、消化し、なおそれでも書かずにはいられない「文学の蟲」の物語。

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カクヨム
カクヨム2025/12/14
  • 現在の作品図書館の胃袋