あらすじ
むかしむかしのお話です。
エジプト王国を治める、クレオパトラという女王がいました。
「はあ……どうすればよいのじゃ」
クレオパトラは、自分の決断が祖国を危機に晒した結果になってしまったことを嘆いていました。そんな時、
「クレオパトラさまなら以前と同じように、その美貌でエジプトを救えるはずです!」
とある侍女の楽観的な発言を聞いて、クレオパトラは一大決心をしました。
「わらわ、もう一度ローマの将軍を誘惑して、この国を救ってみせようぞ!」
これは、世界一有名な女王クレオパトラが、祖国を救うべく己の美貌と知恵をフルに活用し、標的であるローマの将軍マーク・アントニーを口説き落とすまでの、「かの有名な劇作家が創作したローマ史劇」の前日譚である。
注意
本作品は「一応」複数の史書を参考にしつつ書き上げられた歴史小説となっておりますが、細かい部分は史書を無視して作者が創作したり、また登場人物の言動に関しても独自のアレンジが随所に加えられております。
ですので、「ここが史実と違う!」とか「この人物はこんなこと言ったりしない!」とかいった批判はしないでいただけると幸いです(;^_^A。
以下、登場人物の簡単な紹介。
クレオパトラ
主人公。世界一有名な女王さま(多分)で、エジプト王朝最後の統治者。
28歳(作中の時点での年齢)。数多の男をその魅力で篭絡し、そして祖国を救ってきた御方。
エイラス
クレオパトラの侍女その1。真面目な性格だが、政治とかいった難しい話はサッパリ分からない。
カルミオン
クレオパトラの侍女その2。楽天的な性格で「どんな困難でも、クレオパトラさまならその美貌で解決してくれるはず」と本気で信じている。
マーク・アントニー(ラテン語読みで『マルクス・アントニウス』)
共和制ローマの将軍で、作中の時代に成立した「ローマ三頭体制」のひとり。
ローマの英雄ユリウス・カエサル(英語読みで『ジュリアス・シーザー』)の許で多くの武勲を挙げてきたが、女性関係にはだらしなく、特に美人には滅法弱い御方。
本作におけるクレオパトラの標的(カモ)。
ユリウス・カエサル(英語読みで『ジュリアス・シーザー』)
ローマ最大の英雄。作中では故人となっている。
エジプトを訪れた際に若かりし日のクレオパトラと運命的な出会いを果たし、彼女と楽しいひと時(意味深)を過ごした過去がある。
なお、当のクレオパトラからは「金柑頭の女たらし」という酷いあだ名で呼ばれている模様。
ブルータス
カエサル暗殺犯の首謀者で、その彼に止めを刺した救国の英雄。
……になるはずだったのだが、歴史は彼に味方せずローマでは内戦が勃発し、そして戦に敗れるとさっさと自害して果てた可哀そうな御方。
なお、クレオパトラからは「お前のせいでエジプトは危機的状況になったのじゃ!(意訳)」と非難されている。