あらすじ
剣と魔法の世界には、ある恐ろしい病が存在する。
それは――「レベルが上がると、脳が焼き切れるほど気持ちいい」という奇病だ。
冒険者ラキは、その快感に取り憑かれた廃人(ジャンキー)だった。
富も名声もいらない。ただ、あの「絶頂」をもう一度味わいたい。
だが、人間の肉体には限界がある。
HPも尽きれば、MPも枯渇する。
休憩などしている暇があったら経験値が欲しいのに!
そんなある日、彼は迷宮で理想の「物」を拾う。
それは、足が遅いという理由でパーティーを追放された没落聖女・フィオナだった。
「見つけた……俺の背中に固定すれば24時間回復し続けられる、最強の外部バッテリー!」
「ひ、ひぃぃぃ! 扱いが物ですぅぅぅ!」
登山用のおんぶ紐で聖女を固定し、走りながらヒールを受け、筋肉を破壊しながら再生して加速する。
完成したのは、理論上の最高効率を叩き出す筋肉永久機関(マッスル・エンジン)》。
これは、快楽のために効率を極めた狂人と、金のために魂を売った聖女が、
「ドロップ品を拾う時間すら惜しい(時給が下がる)」
という理由で魔石を放置し続け、迷宮の生態系を崩壊させて
ラスボスを湧かせてしまう、迷惑極まりない英雄譚。