あらすじ
霧と蒸気の街で、アルノシトは祖父の雑貨店を手伝い、犬のジークと穏やかな日々を送っていた。
だが、ある朝、店に現れた男がすべてを変える。
重工業を担う大財閥ベーレンドルフの総帥、ルートヴィヒ=ベーレンドルフ。
「これは依頼ではない、命令だ」
強引ともいえる手段で連れ出され、老朽化した蒸気管の整備に同行するうち、アルノシトは知る。
ルートヴィヒは泥と油の匂いの中に立ち、職人の声を拾い、誰より真剣に街の足元を直そうとしている――そして時々、自分を見る目だけが酷く優しく、どこか悲しそうに見えることを。
その誠実さが敵を呼び、事故を装った襲撃が仕掛けられる。
護衛とも分断され、二人は旧水道へ逃げ込む。真っ暗闇、音の反射で距離も方向も狂う迷路。頼りは試験用の携帯灯ひとつ。追手の気配の中、ルートヴィヒは静かに呟く。
「私を置いて逃げろ」
一人なら逃げられる。そう告げるルートヴィヒの手を震える指で握ってアルノシトは答える。
「……あなたがいなくなったら、街が困る」
闇を抜けた先。ルートヴィヒの胸に沈んでいた想いが溢れ──
アルノシトだけがまだ知らない。幼い頃“秘密基地”で出会った青い目の少年こそ、目の前の総帥だということを。
────────────────────────────────────
なんちゃってスチパン&独自性よりわかりやすさ重視。
雰囲気楽しめればそれでOK!の緩い世界で大財閥総帥×雑貨店店員の身分差&年の差BL
※他サイトで完結したものを、カクヨム用に再編して投稿しています。