あらすじ
「世界を救った勇者の借り」が、世代を超えて子孫を縛る――貴族社会の不合理なルールが、今、破られようとしていた。
今代の勇者ショウ・トリックは、先祖である勇者が王家に残した莫大な「借り」のせいで、自由な青春を奪われ雑用を押し付けられる日々を送っていた。彼の唯一の目標は、この「借り」を返済し、自由になること。
そこで彼が目を付けたのが、王家の継承権第三位・メフティア王女。彼女は玉座に興味がなく、軍事・政治ともに「無能」という自己評価を持つ、最も政治的リスクの低い王族だ。
ショウは「借りの清算」という単純な理由で、メフティアを陰湿な貴族のいじめから救い、「さっそく借りを返せるよ王女」と、衆人環視の学園内で一方的な味方宣言をしてしまう。
玉座に興味のないメフティアにとって、この最強の勇者伯の無茶苦茶な支援は、逆に政争の渦中に引きずり込まれる最大の迷惑。彼女はショウに「私には借りなんてない!」と訴えるが、直後に暗殺未遂に遭い、絶対的な力を持つショウに背負われて帰宅する羽目になる。
「借りを返すためだからな」――ショウの言葉は、メフティアにとって新たな枷となるのか?
「借り」の不合理な鎖を断ち切りたい最強の勇者伯と、その「借り」を押し付けられ困惑する無能な王女。二人の目標が真逆のまま、学園を舞台にした壮大な"借り"の清算劇が始まる!