あらすじ
これは、一人の少女が“外の世界”へ踏み出す物語。
山岳地帯の奥深く――
豊かな大地ゆえに魔物が異様なまでに強く育つ村、リーベンバウム。
人の往来は少なく、安らぎよりも緊張が日常に溶け込んだその地で、少女は育った。
リルテット・ヴァンディール。
彼女は十年ものあいだ、村を守るため狩りに身を投じてきた。
剣を振るう理由は生きるため。
気づけばその腕は、並の冒険者を遥かに凌ぐ域に達していた。
それでも――彼女の胸に宿る想いは、戦いでも力でもない。
「世界を、自分の目で見てみたい」
ただそれだけの、ささやかで大きな夢。
守られる側でも、選ばれし英雄でもない。
過酷な土地で鍛え上げられた“ただの少女”が、
村の外へ、未知と危険に満ちた世界へと歩き出す。
これは、強さを持ってしまった少女が、
それでもなお「何者かになる」ための冒険譚。