あらすじ
アルテミス王国の王都には、二輪の『華』が存在した。
一輪は、あまりに美しく、優しく、それでいて無価値な華。触れた花を咲かせるだけの、『役立たず』と蔑まれる王女リラ
もう一輪は、あまりに冷酷で、それでいて高潔な氷の華。王国の守護者『氷の魔導師』シャノ。
リラは、シャノに嫌われていた。
回廊ですれ違うたび、冷徹な瞳で拒絶される日々。
だが、リラはその冷たい視線に射抜かれるたびに、胸の奥が熱く疼くのを止められなかった。
たとえ嫌われていても、その孤高の美しさに焦がれてしまったから。
ある日、王国を揺るがす魔獣の大群が襲来する。
シャノは「足手まといだ」と周囲を突き放し、たった一人で死地となる平原へ向かう。
それは、自らの命を捨てて国を守ろうとする、孤独の決死行だった。
これは、不器用な二人が互いの欠落を埋め合い、死さえも分かつことのできない絆で結ばれる物語。
※本作は、単独の短編小説(全3話)として完結します。将来、長編化を行う場合があります。
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