あらすじ
新選組の副長として栄華を極めた男、山南敬助。
彼には知られざる子がいた。芸者との間に生まれ、敬助の父によって母共々葬られた息子・要助。死んだはずの要助の魂は、父の傍らに寄り添い続ける。
やがて、敬助の切腹の瞬間──沖田総司の願いが引き金となり、魂は父の身体に憑依する。入れ替わった身体で生きる「要助」は、老いた母を前に現実を見据え、沖田の死を看取り、多摩の地で静かに余生を送る。
だが、胎内の新たな命は、再び輪廻の環を繋ぐのか。
歴史の影に潜む怨嗟と愛執。生まれ変わりの童歌が響く中、細い刀は再び折れるのか──。多摩の「とんがらし地蔵」が見守る、因果応報の幻想譚。