あらすじ
令和の日本。
台湾有事を引き金に日中関係は決定的に悪化し、ついに武力衝突の瀬戸際へと追い込まれる。
だが、その最中――日本が唯一頼るはずだった同盟国アメリカは、密約のもと「いかなる国にも介入しない」という冷酷な沈黙を選んだ。
自衛隊は、史上初めて単独で国家存亡の危機に立たされる。
国内では反戦デモと政治的分断が激化し、日本国初の女性首相・赤地静江は、 内外からの圧力に耐えながら決断を迫られていた。
そんな彼女の前に現れたのは、内閣調査室の青年・石原莞爾。
彼は静かに告げる――
「まだ、絶望する場面ではありません」
そして語られる、“並行世界を渡り、日本が滅びかけた時だけ現れる存在”。
その名は――伊400。
歴史に記録されず、命令も受けず、
ただ「日本が日本でなくなる瞬間」にのみ姿を現す、存在しないはずの潜水艦。
その艦を率いるのは、寡黙な艦長・日下敏夫少将。
彼とその乗員たちは、幾つもの世界で日本を救い、そして誰にも知られぬまま去ってきた。
同盟は来ない。
だが、日本はまだ終わっていない。
現代戦記と神話が交差する時、
鋼鉄の救済者は、静かに深海から浮上する。