あらすじ
人の顔が、わからない。
交通事故の後遺症で顔を認識できなくなった高校生・海野渚。
都会を離れ、親戚の住む太平洋の離島で暮らしている。
人と目を合わせられず、それ故に深入りもできない日々。そんな彼の唯一の居場所が、はみ出し者ばかりの天文部だった。
しかしある日、天文部は廃部の危機に陥る。存続条件は、文化祭のステージ発表。星を見る部活が舞台に立てと言われても、経験も自信もない。それでも渚は、部を守るために脚本を書くことを決める。
部活の仲間たちとの騒がしくも不器用な日常。その中にいるのは、渚が幼い頃、夏の浜辺で出会い、恋をした少女・雨宮しずくだった。再会した彼女は、優しくて、強くて、それでもどこか不安を抱えている。想いは確かにあるのに、顔を見て話せない渚は、一歩を踏み出せずにいた。
迷いの末に訪れた島の神社で、渚は奇妙な女性と出会う。自称・恋の神様。押し入れに住み着き、酒を要求し、やたら距離が近いその存在は、渚の想いを叶えるために現れたのだと言う。
星空の島で始まる、廃部寸前の青春と、不器用な初恋の続き。
顔が見えなくても、想いはきっと、星のように届く。