あらすじ
登場人物紹介(第1部)
ヒデ:高校二年生。両親は海外在住で一人暮らし。無口で不器用だが、責任感が強い。
「守れなかった後悔」を何より恐れている。
恵子:ヒデの幼馴染。社交的で強がり。誰かの弱さを放っておけない性格。物語は彼女の“バス旅行”から動き出す。
凛:恵子の妹。全寮制の女子校に在籍。感情を抑え込みやすく、「いい子」であろうとする。
ヒデの言葉を心の支えにしている。
ポップ:一匹の猫。この時点では物語の外側にいる存在。
高校二年のヒデは、日常の延長に立っていた。
恵子は友人たちとバス旅行へ出かけ、妹のような存在である凛は、県外の学校で寮生活を送っている。
テレビでは「原因不明の暴動」「感染の可能性」が流れていたが、それでもヒデは“自分には関係ない”と思っていた。
――その夜までは。
街は急速に機能を失い、人は人を疑い、噛み合わなくなっていく。
やがてヒデは、「生きるために人間性を失わせる力」を手にしてしまう。
助けたい相手がいる。守りたい場所がある。
だがその力は、彼を仲間から遠ざけていく。
これは、恐怖と嫉妬と後悔の中で“居場所”を探し続けた人々の物語。
強さとは何か。守るとは何か。
そして――人間であり続けるとは何なのか。