あらすじ
元メーカー広報の田中美咲は、異世界に転生して二年。 今は王国広報院で、地味ながら安定した仕事をこなしていた。
ある日、上司から告げられた新しい任務。
「勇者アキラ様の凱旋パレード、広報を担当してくれ」
勇者アキラ。魔王を討伐した国民的英雄。 そして、美咲と同じ日本からの転生者だという噂のある男。
順風満帆に見えた仕事だったが、問題はすぐに発覚した。
掲示板に、不穏な書き込みが並んでいたのだ。
『勇者パーティー、魔王討伐中にうちの村を焼いた』 『補償もらってない』 『凱旋パレード? 被害者の前で胴上げすんの?』
これは——炎上の火種だ。
法律上は「勇者免責特権」があり、勇者に責任はない。 しかし、被害者の感情は別問題。
このままパレードを強行すれば、確実に炎上する。
美咲は、前世で培った炎上対策のノウハウを総動員することを決意する。 ただし、やり方は「火消し」ではなく——。
被害者と勇者の間に、本当の和解を作り出すこと。
疲弊しきった勇者アキラは、本心から謝罪できるのか? そして、凱旋パレードの結末は?
少し笑えて、少し胸が温かくなる、異世界広報物語。
最後に勇者が漏らした本音は、美咲の予想を超えていて——。