あらすじ
「祈ってどうするんだ?」
異世界転移した神話オタクの大学生・氷室迅が最初に受けた衝撃は、
その言葉だった。
この世界には「顕神」と呼ばれる神が実在する。
天候を操り、豊穣を司り、気まぐれに人を殺す、圧倒的な存在。
人々は顕神を恐れている。しかし——Loss崇めてはいない。
神がいるから、祈る必要がない。
信仰がないから、救いもない。
死んだら魂は消える。それだけ。
「この世界には、物語がない」
ギリシャ神話、旧約聖書、北欧神話、日本神話——
迅の頭の中には、人類が何千年もかけて紡いできた「神々の物語」がある。
死を恐れる人に、冥府の話を。
戦場で仲間を失った者に、ヴァルハラの話を。
希望を失った子供に、パンドラの箱の話を。
「俺の知識が、この世界の誰かを救えるなら」
やがて迅の周りには、彼の言葉を信じる者たちが集まり始める。
異世界初の「教団」が誕生し、既存の秩序と衝突し——
そして、実在する神との対峙が待ち受ける。
これは、神話オタクが異世界で教祖として成り上がる物語。
「信じる」とは何か。「救い」とは何か。
神無き世界に、神話の光を灯す旅が始まる。