あらすじ
恋に落ちる瞬間を、雷に打たれたみたいだと言うけれど。
まさかそれが、神様の仕業だったなんて。
家族を失い、ひとりきりで田舎に暮らす少女――名取桃。
ある雷雨の夜、彼女の庭に、異世界から辺境伯家の兄妹がやって来る。
傷を負った兄ユーリアムと、幼い妹レティリアーナ。
彼らは王位継承を巡る陰謀に巻き込まれ、命を狙われていた。
不思議なことに、桃の話す日本語は、
彼らの世界では“神の国の言葉”と呼ばれているらしい。
元の世界へ戻れるまでの、期限付きの共同生活。
穏やかな日々の中で、少しずつ芽生えていく想い――
けれどある日、兄妹は突然、元の世界へ帰ってしまう。
そして桃は、彼らを追って異世界へ渡る決意をする。
現実では、ほんの一夜。
だが異世界では、すでに十年の時が流れていた。
愛の神の祝福を信じ、ただ一人、彼女を待ち続けた少年は、
今や国と民を背負う、ローゼル辺境伯となっていた。
雷に導かれた出会いは、偶然ではない。
それは、愛の女神アルヴィーネが結んだ運命。
これは、愛の女神に祝福された運命が、世界と時を超えて結ばれるまでの物語。