あらすじ
「期限は今月末。利息分の三百万、持ってこい。足りなきゃ海外の富豪に売り飛ばす」
二〇三X年、東京。ダンジョンが出現し、魔石が新たなエネルギー資源となった時代。 天宮雫(あまみや・しずく)、十六歳。 亡き父が騙されて残した借金五千万を、暴力団「荒金組」に理不尽な暴力で背負わされた彼女は、地獄の淵に立たされていた。 法も警察も頼れない。彼女に残された道は二つだけ。 内臓まで売られる商品になるか、怪物ひしめくダンジョンで稼ぐか。
雫は、錆びたナイフ一本と型落ちのドローンを手に、Fランクダンジョンへと足を踏み入れる。 配信タイトルは**『借金5000万。完済か死か。Fランク女子の特攻』**。 コメント欄には「装備ゴミすぎ」「死ぬとこ見れる?」という嘲笑が溢れるが、雫はカメラに目もくれず、冷徹に告げる。 「……生き残ります」
しかし、現実は非情だ。ゴブリンの群れに囲まれ、死を覚悟したその時――雫は瓦礫の陰に落ちていた「虹色の種」を飲み込み、ユニークスキル**【収穫の樹(ハーベスト・ツリー)】**に覚醒する。 それは、倒した魔物を「養分」として吸収し、ステータスを爆上げする「果実」を生成する規格外の力だった。
生成された真っ赤な実を口にした瞬間、雫の表情が一変する。 「ん……っ、おいしい……」 極上のスイーツのような甘さに、クールな仮面が崩れ、とろけるような笑顔がこぼれる。 そのギャップに、アンチだらけだったコメント欄は一転して大爆発! 『え、今の顔なに!?』『ギャップ萌えで死ぬ』 殺伐としたダンジョンで、魔物を狩っては美味しく頂く。 塩対応な凄腕ハンターと、愛らしい美食家という二つの顔を持つ雫に、大富豪のファン「美食ハンター」もつき、投げ銭の雨が降り注ぐ!
日給六千円の絶望から、一日十五万稼ぐ希望へ。 十六歳の少女が、自身の「食欲」と「計算」を武器に、理不尽な暴力をねじ伏せ、借金地獄からの大逆転劇を始める。 「明日は、もっと甘くて美味しいのが食べたいな」 捕食者の瞳をキラキラと輝かせ、少女は今日もダンジョンを喰らい尽くす。