あらすじ
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――思い出すな。記憶を解くな。
誰かのそんな声が、ずっと頭の奥にこびりついている。
なのに僕は、その町の名前を聞いた瞬間、全部を思い出しそうになった。
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「ふぁ~あ、よく寝た」
僕の名前はカルメ。ただの魔王様に仕える悪魔だ。
……いや、ただの悪魔じゃない。魔王様直属の四天王の一人なのだ。
でも魔王様は、“ふぁんたじい”とやらに出てくる冷酷な魔王とは真逆の存在。
誰にでも平等で、贔屓もしないし、困っていれば助けてくれる。
僕ら魔族にとって最高の王だ。
だけど最近、その魔王様に困った噂が流れている。
「魔王は人界を支配して人間を殺そうとしている」――そんな悪意のある噂だ。
人間に擬態して暮らしている仲間たちから、同じ報告が何十回と届いている。
このままでは“ふぁんたじい”みたいに、先に人間が魔族を滅ぼしに来る……そんな最悪の結末もありえる。
そんなことだけは絶対に防がなくちゃいけない。
だが魔王様は人間と争いたくないらしく、特に対策もしていない。
だから四天王の僕が守るんだ――。