あらすじ
陰陽師の名門・土御門家の跡取り、土御門 晴。幼い頃に母を亡くして以来、自らの力を封印し、普通の高校生として過ごしていた。
そんな彼の前に現れたのは、十年前に離れ離れになった許嫁——九十九 冥。
凛とした美貌と黄泉の式神を操る力を持つ彼女は、晴にこう告げた。
「私の余命は、あと半年」
冥の身体を蝕むのは「黄泉の刻印」。千年前から九十九家の女に受け継がれてきた呪いだった。刻印が心臓に達した時、彼女は人間ではなくなる——黄泉の花嫁として、冥界へ堕ちる運命にある。
「俺がお前を救う」
晴は封印していた力を解放し、冥と共に怪異と戦い始める。陽の式神と陰の式神。二人の力が共鳴した時、千年の呪いを解く「陰陽合一」の可能性が見えてくる。
だが、呪いを解くには禁忌を犯さねばならない。
「見てはならない」——神話が定めたその掟を。
朽ちていく冥の姿を、晴は見届けることができるのか。そして冥は、醜い自分を晴に見せることができるのか。
これは、神話を塗り替える二人の物語。