あらすじ
鈴森崇文、四十三歳。平凡なシステム会社の係長である。
妻を亡くし、男手ひとつで育てた娘が高校に合格した。入学式に出席し、保護者説明会の教室へ向かう。ごく普通の、どこにでもある光景のはずだった。
教室にいたのは、スーツを着こなしたドラゴン、和装の白虎、宙を舞う妖精、背広から覗く不定形の何か——。
今年から始まった「異世界親交交流制度」により、娘のクラスには異世界からの留学生がいるという。当然、その保護者も人間ではない。
他の人間の保護者たちは、まるで外国人に接するように異種族と談笑している。なぜ誰もこの状況に疑問を持たないのか。崇文ひとりが混乱する中、さらなる災難が降りかかる。
竜族の長と白虎族の王——教室で最も存在感を放つふたりに、なぜかPTA会長に推薦されてしまったのだ。
貴様は漢気をみせた、と竜は言う。
百万の軍勢を得たと思え、と白虎は言う。
いや、そういう問題じゃない。
こうして崇文は、人間と異世界種族が入り混じるクラスのPTA会長として、否応なく奮闘することになる。娘の平穏な高校生活を願いながら——。
どうしてこうなった。