あらすじ

追放されたその日、俺は笑えなかった。 大阪の夜はまだ眩しい。なのに、胸の奥は真っ暗だ。 芸人養成所の同期に囲まれ、「お前、おもんないわ」と言われた瞬間から、 何かが音を立てて崩れ落ちた。 舞台袖で土下座した俺を、誰も引き起こしてはくれなかった。 あの光景が、瞼の裏に焼き付いて離れない。 最終的に下された判断は一つ── 「真中笑太、クビ」 荷物をまとめ、俺は夜行バスへ乗り込んだ。 窓の外のネオンが遠ざかっていく。 俺の芸人人生も、あの光の中に置き去りにされたままだ。 背中には、悔しさも、怒りも、未練も全部ある。 けど、どれ一つ笑いに変えられない。 芸人として最悪の状態だ。 バスは、夜の闇を切り裂くように北へ進む。 終点──京都。 そこに何があるのかは、俺自身よく分かっていなかった。 ただ、大阪にいられない理由だけは、はっきりしている。 俺はまだ、笑いの“間”すら知らなかったのだ。

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カクヨム
カクヨム2025/12/12
  • 現在の作品笑いのセンスが無さすぎて大阪を追放された俺、 老落語家に弟子入りして修行の末── 落語の力でM-2グランプリを制す! 「実家に戻ってこい?」ああ、京都土産持って帰るわ!