あらすじ
世界は、気づかれぬまま音もなく壊れ始めていた。
それは運命のほころびか、
それとも誰かの手で裂かれた必然か。
愛する人を――存在ごと奪われた青年アシェル。
その喪失は、彼の胸に黒い熱を点し、
やがて “因果の構造そのもの” に手を伸ばす力 へと変わる。
彼が追い求めるのは復讐か、それとも真実か。
一方、アシェルの復讐に国を滅ぼされた少女ライラは、
三十年を憎しみに捧げ、“存在の影”として彼を狩る。
──憎悪は因果を巡り、また憎悪を呼ぶ。
そして時は遠く未来へ跳躍する。
一万三千年の眠りから覚めた少年ユノ。
彼の胸には、世界が恐れた“無因の心臓《カーディア》”が宿っていた。
触れるものの因果をほどき、
世界の理さえ拒むその力は、
救いか、それとも完全なる破壊か。
三人の物語は、時代も距離も越え、
ひとつの問いへと収束していく。
因果を操る世界で、
因果を断つとはどういうことか。
そして最後に残るのは、
世界か、人か、たった一つの鼓動か。
──世界の心臓をめぐる、
“終わり”と“始まり”の物語。