あらすじ
桐谷つかさは毎朝1時間早く起きて、欠かさずメイク・ヘアセット・コーデを整える。
学校でも「ビジュ強い」と評判だが、本人はそれを誇りにしているわけではない。
中学の頃、誰にも気づかれずに消えてしまいそうだった自分を、
たった一人、如月れんだけが気にかけてくれた。
その記憶が呪いのように残っていて、
「また見放されないように、綺麗でいなきゃ」
という強迫観念に近い気持ちがつかさを動かしている。
れんはそんなつかさを見て、
「俺のためにビジュ磨きしてくれてる…?」
と完全に誤解している。
もちろんつかさは全力で否定する。
「は?あなたのためじゃないし」
「ただの自己満だし」
本心は言えない。
れんにも自分にも。
そんな二人の距離が、
新学期に現れた風間たいちの存在で不安定に揺れだす。
つかさの努力やビジュを素直に褒め、
見た目より内面を評価するたいち。
それがれんの中に焦りを生み、
つかさの中には戸惑いと小さな自信が芽生えていく。
お互いに大事なのに、素直になれない。
すれ違っては惹かれ、離れてはまた求める。
じれじれの想いが重なり合う中で、
つかさは初めて「誰かのためじゃなく、自分のために綺麗になりたい」と思うようになる。
そして最後、
二人の誤解と未熟さがゆっくり溶けていき、
本当の恋に変わっていく物語。