あらすじ
昨今流行りのネット小説・異世界ファンタジーモノのライトノベルで一発当てた俺。お世辞にも売れっ子とは言えないが、本業の傍ら物書きの仕事も時々やってくるような具合で作家としても軌道に乗り、界隈の人たちからは「先生」なんて言われちゃったりしている。
人並みの苦労と人並みの努力、そして趣味から高じたほんの少しの文才によって、安定した仕事と楽しい副業、愛しき家族に囲まれながら適度な忙しさに揉まれるという、素敵な人生を俺は送っていた。
そんなある日、目が覚めると、皆が想像する「ザ・異世界ファンタジー」といった世界にいた。演出もなく、理由もなく、まさに突然。
しかし、その世界を見て廻ると、まるで「作家」がいるような設定が浮かび上がっていき、俺はこの世界を「誰かが作ったラノベの世界」であると仮定した。
だが、「誰かが作ったラノベの世界」は、あまりにも陳腐でお粗末な設定が目立ち、自分の作家根性が作り込みの甘い世界観にツッコミを入れたくなる。
ともかく、自分の仕事や家族のためにも、いい加減なところで現実世界に戻りたい俺は、「誰かが作ったラノベの世界」の設定をツッコんだり、推理したりしながら帰る方法を探すことにした。