あらすじ
メリルのあだ名は失敗聖女。
母はこの国の全ての結界を司る、神の花嫁たる唯一無二のやんごとなき大聖女様。
やたらと聖力は高いがともかく失敗ばかりのメリルは、神殿では失敗聖女と呼ばれていた。
ついこの間も侯爵夫人の腕の治療中にぼうっとしていて、腕を三本生やしてしまうという大失態を犯したばかり。
そんなある日、大聖女の王国の行幸が予定されていたそんなタイミングで大聖女の妊娠が発表された。
しかも、身籠っている子供は次代の大聖女となる神託のあった女の子だという。
国を挙げての慶事だが、度重なる延期が続いた大聖女の全国行幸がなくなってしまい、地方の結界はもう限界を迎えていた。神殿育ちで外の世界に憧れていたメリルは志願して、大聖女の名代として、隠密で国中の結界を修復して回る長い旅に出ることとなった。
一方、神殿騎士団。
王国で最も名誉あり実力のある神殿騎士団の騎士に、隠密で、一人の騎士が大聖女の名代の聖女による、結界修復の旅に随身の命令が下った。
大変名誉ある仕事に騎士団は浮き立った。
カイアスは美貌を誇る侯爵家の騎士で、選りすぐりの中から選ばれた神殿騎士団の栄誉ある騎士でもある。
美貌、才能、家柄、何もかも完璧なのだが、どういうわけか運だけはものすごく悪く、じゃんけんすらも勝ったことない。人呼んで不運の騎士。
そんなカイアスが、生まれて初めての幸運を掴んだ。あみだくじで聖女の随身に選ばれたのだ。
だが・・・
「失敗聖女の随身とは聞いていない!」
顔合わせの日、カイアスは憧れの大聖女の一番出来損ないである末娘のメリルの随身と知り思わず激昂する。
有名所である元平民の儚げな聖女や、侯爵家の冷たい氷のような美人の聖女の随行だと思っていたカイアスは、己の不運を嘆く。
失敗聖女と呼ばれた聖女メリルと、不運の騎士である騎士カイアスのドタバタ諸国漫遊物語。