あらすじ

市役所・市民生活部が立ち上げた「遺失物管理業務改善プロジェクト」。 過去5年分の遺失物台帳を統計分析した担当者は、「住民基本台帳に存在しない氏名」「何度照会しても宛先不明となる住所」を持つ“特異件”が、全体の約0.3%の割合で紛れ込んでいることに気付く。 子ども用リュック、存在しない会社の社員証、解体済み団地の鍵、未来の年号が書かれたノート──。 遺失物ログ、担当職員インタビュー、防犯カメラ映像の書き起こしを重ねるにつれ、それらの持ち主が「この街から忘れられた人々」あるいは「まだこの街に来ていない誰か」である可能性が、半ば冗談めかして語られはじめる。 あくまで行政文書としては「統計上の例外」として処理される異常値。 しかし付録として添付された“最新ログ”には、本報告書の作成者と同じ名前の職員証が「在籍実績なし」として記録されており──。 遺失物センターを舞台にしたモキュメンタリー調オカルト短編です。

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カクヨム
カクヨム2025/12/11
  • 現在の作品遺失物センター統計異常報告書