あらすじ
大陸の交易都市にある旅籠『袖寄屋』は、この世ならぬ客が出入りする変わった宿として、近所では不評だった。七代目の若い主人レニは《見える》能力を持ち、従業員たちと共に人外の客たちを受け入れ、小さいながらも独特の宿を切り盛りしてきた。
ある夜、巨大で険しい顔をした包帯姿の男が現れ、「ここに用がある」と言い張る。
名を失くしたと語る男は、袖寄屋に盗まれたものがあると主張して宿中を探し回り始めた。
不審に思ったレニは男を追い出そうとするが、ある事件をきっかけについに衝突する。
やがて明らかになった男の正体——彼は、かつて海辺の国を守っていた地主神だった。国は戦火で滅び、神は記憶と力を奪われていたのだ。探しているのは失われた彼自身の力。
レニは失せ物探しに協力することを決める。しかし、宝のうち一つがレニ自身に封印されていることが判明する。
レニは、神に力を返すため、故郷の秘儀を行うことを提案する。一夜限りの秘儀を通じて、二人は深い絆で結ばれた。
だが力を取り戻した神の不穏な目的に気づいたレニは、再び彼と激しく対立することになる。
※この作品は、ムーンライトノベルズ、アルファポリスにも掲載しています。