あらすじ
すべてを諦めていた奴隷の僕が、気まぐれで買われた先は、王国一と名高い大商会だった。
冷徹非情と噂される狼獣人のアルファ、リオード様。彼に与えられた仕事は、厨房の片隅での雑用係。虐げられる日々に、僕の心は、静かにすり減っていく。
そんな僕の唯一の慰めは、前世の記憶を頼りに、誰にも知られずこっそりと作る、素朴な焼き菓子だった。
「お前が、これを作ったのか」
あの日、偶然僕の菓子を口にした彼の瞳に、初めて違う色の光が灯った。
絶望の底にいた灰かぶりのオメガが、その手で幸せと愛を掴み取るまでの、逆転と成り上がりの物語。