あらすじ
「あなたは県で初めてのパイオニアです!」
三十六歳、発達障害持ち。四つの職場を転々とした私が、まさかの教員採用試験に合格してしまった。しかも配属先は、いじめと拒食症の記憶が染み付いた母校である。「合理的配慮があるはず!」と期待に胸を膨らませて初出勤した私を待っていたのは、週20コマの授業に山盛りの校務分掌、そして「教員の性質上、配慮は難しい」という衝撃の一言だった。
「適宜よろしく」と言われても適宜が分からない。「臨機応変に」と言われても臨機応変ができない。小学校の恩師に名前を忘れられ、先輩には「オエオエ言いながらでも学校に来た」と叱られ、気づけば部屋の壁は黄色い付箋で埋まっていた。そこに書かれた言葉は「死にたい」180枚——。
笑って泣ける、でも考えさせられる。ある教師の83日間の記録。
※取材協力:石川花純さん