あらすじ
EXIT
それは『死』を美化した装置であり『命』の価値を定めた装置だった。
小説家の樹は妻・恵子の支援により『芸術的な小説』を描く天才だった。
しかし恵子が難病に罹り、治る見込みもない『生産性のない病人』となり、本人や医師は『EXIT』による安楽死を推奨する。
書き上げる文字の一つ一つが彼女の命を繋ぐ糸となり、作品が売れれば売れるほど、彼女の寿命は伸びていく。
だが、樹は『本当に書きたい作品』を手放し、恵子を傷付けてまで生きながらえさせることに疑問を覚えていた。
——安楽死を巡る、価値ある世界に生きる者たちの物語——