あらすじ

『円環は閉じていた』 魔術は、唱えない。 紙(ぺパロ)に記された記号と、円環に接する起動印を魔力でなぞることで、世界に命令を実行させる――それが記号記述魔術《ヴォカロス体系》である。 一つの魔術は一つの円環で完結し、円環の外は一切関与しない。 正しく描かれ、正しくなぞられた術式は、必ず発動する。 少なくとも、学院ではそう教えられていた。 しかし、ある日。 規定通りに完成したはずの術式が、何の前触れもなく失敗する。 爆発も暴走も起きず、ただ静かに霧散するその現象は、教本に存在しない。 ヴォカロス学院での日常は、変わらない。 授業、実習、雑談、試験。 開祖が最期に遺した「円環は、必ず閉じていなければならない」という言葉も、歴史的資料として扱われるだけだ。 それでも主人公は、違和感を覚え続ける。 円環は確かに閉じていた。 それなのに、世界は命令を拒否した。 正しいはずの魔術が、なぜ失敗したのか。 学院の日常の中で、誰にも気づかれない小さな異常が、静かに積み重なっていく。 これは、 完結しているはずの円環を疑う物語である。

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カクヨム
カクヨム2025/12/17
  • 現在の作品円環の内側で魔術は完結する