あらすじ
交易都市リムナの市場で、原因不明の異変が発生した。
爆発も呪文もなく、ただ一瞬――世界が沈黙し、人々の欲望が同時に暴走する。
それは理論上、起こりえない現象だった。
市民の記録係エリオは、この出来事を「事故ではない」と書き残す。
管理機構国家の監査官カイは、数値の異常から世界の前提が揺らいでいることを知る。
王都では、選ばれなかった王族の血が、静かに騒ぎ始めていた。
これは英雄が世界を救う物語ではない。
秩序、自由、欲望――
それぞれの立場で選ばれた行動が、別の誰かを壊していく。
魔法が存在する世界で、
「正しさ」が崩れ始めたその日から、物語は動き出す。