あらすじ
横須賀沖で発生した米軍オスプレイ墜落事故。
そのニュースを、横浜のバーで働く青年・天音悠司は無言で見つめていた。
画面に流れた犠牲者の名は、長年疎遠だった父――米軍パイロット、イアン・マコーネル。
父の死をきっかけに、悠司の止まっていた時間が動き出す。
父が遺していたのは、金でも名誉でもない。
山梨の老舗酒蔵、そして「未完成の夢」だった。
導かれるように酒造りの世界へ足を踏み入れた悠司は、
アメリカ・バークレーの酒蔵で、一人の女性と出会う。
実直で鋭く、誰よりも酒と向き合ってきた女性――ミア。
伝統と革新、国境と文化、父の影と自分自身。
数え切れない衝突と挫折の中で、
二人は酒を仕込み、言葉にできない想いを少しずつ共有していく。
やがて舞台は、世界の富裕層が集う豪華客船へ。
酒を巡る競争は、命と誇りを賭けた試練へと変わっていく。
これは、失われた父の背中を追いながら、
波の上で「生き方」と「愛」を醸していく恋と再生の物語。