あらすじ
全校集会で、ひとりの生徒の死が告げられた。
北藪夏乃。事故による突然の訃報だった。
その出来事を、違和感のまま胸に沈めて通り過ぎる少年・七村。
一方で、正しさを飲み込めず、言葉にしてしまう少年・一色。
同じ死を前にしながら、二人は正反対の選択を重ねていく。
七村のそばには、意味を嘲笑で断ち切る魔女がいる。
一色のそばには、祝福と選択肢を与え続ける魔女がいる。
観測してはいけない者。
選ばされ続ける者。
誰も勝負だとは思っていないまま、
夢の中――観測禁止区域で、静かな戦いは始まっていく。
これは、
意味を与えられることと、意味を失うこと。
正しさを言っただけの少年が、
気づかぬうちに削られていく物語。
王冠はまだ、夢の中にある。