あらすじ
貧困街で倒れていた私を拾ったのは、
紅い瞳をした、無口で近寄りがたい少年だった。
気づけば私は、公爵家の養女として迎えられ、
「妹」として、過剰なほど大切にされる日々を送っている。
名前を呼ばれ、手を引かれ、
夜には、眠るまでそばにいてくれる兄。
優しい家族。守られた生活。
——私は、それだけで幸せだと思っていた。
けれど十五歳の夜、
社交界デビューとともに、世界は音を立てて壊れていく。
信じていた友の裏切り。
明かされる「家族」の異質さ。
そして、自分が“選ばれる存在”だと知ったとき——
兄は、もう「兄」ではいられなくなる。
これは、
守られていた少女が、
自分の意思で檻を選び取るまでの物語。