あらすじ
現代日本で不慮の事故に遭い、異世界へ転生することになった九条 蓮(クジョウ・レン)。 彼を待っていたのは、伝説の聖剣でも美少女騎士でもなく、役所の長い行列だった。
そこは、地球からの転生者が年間数千人も送り込まれる「転生者飽和時代」の異世界。 「チート能力」は既にコモディティ化し、マヨネーズもリバーシも先人に特許を取られ、魔王討伐の枠は数年先まで予約で埋まっている——。
自分の価値が「十万分の一の在庫」に過ぎないことを知った蓮は、生活のために安定した公務員の道を選ぶ。 配属先は、異世界入国管理局・トラブル相談課。 仕事内容は、自分と同じように夢を見てやってくる「後輩」たちのチートを封じ、厳しい現実を突きつけて再就職を促す、最も感謝されない仕事だった。
「お客様、その爆裂魔法では食っていけません。下水道の清掃員はいかがですか?」
最強の対話スキル「翻訳不全」を武器に、蓮は今日も夢見がちな勇者候補たちの心をへし折っていく。